ひだまり
前もって、今日の5人の食事会は中止してもらってるから………

後10分もすれば駅に着くはずだ。

『お仕事お疲れ様。駅で待ってるから、気を付けておいで。』

メールを送ると急ぎ足で駆けてくる、彼女が見えた。

車に近づく彼女に

「乗って」と言っても……固まって動かない。

「後ろから車が来るよ。」と急かすと、慌てて助手席に乗り込み

シートベルトをはめて、得意顔をしている。

以前、カニのお世話で川原に行った時……はめることが出来なかったから

出来たことを、誉めて欲しいんだろう。

ホントに可愛い性格だ。

「急にごめんね。
今日は集まらないって、先生達に聞いたから………
門限……て言うか、何時まで一人?」

「多分、両親は……夜中に帰って来るかも………。分からないですけどね。
言ってても帰らないことって……良くあるので。
妹は…彼氏と一緒だから……10時くらいかな?
それで………どうして帰りに待っててくれたんですか?」

「あぁ~ごめんごめん。
ドライブに付き合ってもらいたくて、時間を聞いたんだ。」

「そうだったんですね。
ところで………どこに……って言うか、どうしてドライブに??」

「流石にそこは、疑問を持つんだね。
何処かは……着いてからね。説明しにくいところだからねぇ~
どうしてか……も、詳しくは…後でだけど……
四人にクッキーあげたの……知ってるよね?
先生には、なかったでしょう?先生は、まだだったから。
クッキーが苦手だって言ってたから……
嫌いな食べ物より、一人淋しくないように……ドライブでもどうかな?って思って。」

「わぁ!嬉しいです。
先生と二人なのは……ドキドキですけど。
やっぱり、嬉しいです。」

「そんなに喜んでもらえると、オレも嬉しいよ。」

お花畑に赤ずきんちゃんを、誘い込むオオカミみたいで気も引けるけど

この後の告白を思うと…………オオカミの方が緊張でガチガチだ。

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