イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる
「社長とは連絡取れた?」
お風呂も食事も済ませた俺達は、ベランダにあるハンモックに二人で揺られながらくつろいでいる。
雲一つないせいで、月明かりが二人を照らしてくれた。
もう、梅雨の季節が明けて生温い夏の風が吹いている。
二十畳ほどあるこのマンションのベランダは、二人がくつろぐための設備が全て完備されていた。
「うん、明日会う」
俺は短めにそう返事をした。
「何かね、その最終審査って相当厳しいらしくって、三日間合宿みたいな事をするんだって。
で、入る前まで、体重チェックとかも厳しくて、それをクリアできないと、その最終審査には参加できないらしいの」
俺は加恋の話は上の空で、明智君が話したジェイクハミルトンの事を思い出している。
大きめのハンモックの中で、俺は、加恋の体を自分の手足で優しく包み込んだ。