イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる


俺にとって、宝くじが当たる当たらないよりも緊張する一瞬。
加恋はお風呂は一人で入りたい派で、俺は絶対絶対一緒に入りたい派。
だけど、毎日、俺はこうやって加恋に問いかける。
どう? ダメ? お願い…って。


「今日観た映画がすごく面白くて、その内容を早くトオルさんに伝えたいから、お風呂、許可します」


俺はあまりの嬉しさに、加恋に激しいキスをする。

ペットの犬が大好物の骨を一日待たされてやっと良しが出た状態よりも、さらにたちが悪い。
そんな本能に囚われてしまっている俺の様子を見た加恋は、俺から顔を離し、目を細めてこう言った。


「エッチはなし、いやらしい事したら即退場だからね」


俺はしゅんとなって、はいと答えた。

やっぱり俺は下僕にはなり切れない。
だって、女王様からの見返りが欲しくてしょうがないから…



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