誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 そして迎えた翌朝――。

 数時間眠った小春は、いつも通りの時間に起きて朝食の準備を済ませた後、ダイニングテーブルの椅子に座って閑がやってくるのを待った。

 ごはんに大根のお味噌汁、だしまき玉子、それに鮭を焼いた。テーブルの上には、いつもより少し豪華な朝食が並んでいる。

(ドキドキする……緊張する……いやいやでも、ちゃんと顔を見てごめんなさいって言わないと……!)

 本音を言うと、今にでもマンションを飛び出して逃げたいくらいだが、その気持ちをなんとか押しとどめている。

「ふう……それにしても遅いなぁ……」

 時間は七時半になっている。そろそろ食べないと遅くなってしまう。
 たまに寝坊することもあるので、もしかしたら今日もそうなのかもしれない。

 小春は勇気を振り絞り、閑の寝室まで移動すると、

「閑さん、起きなくていいんですか?」

 と、ドアの内側に向かって声を掛けた。

 だが、ドアの向こうから返事はなく、出てくる気配もない。
 何度かドアを叩いたが、静かなものだ。

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