誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
「ふふっ……ふふっ……あははっ……! なんですか、それっ……! そんな、一生懸命にっ……」
両手で口元を覆い、小春は笑い転げる。
すると閑は優しく目を細めて隣にしゃがみこむと、そのまま小春の上半身を抱き寄せ、耳元でささやいた。
「小春ちゃんの笑った顔が、好きだよ」
「っ……」
「好きだ。すごく……かわいい。大好き」
閑の声は、とろけるような甘さで、小春の心を包み込んでいく。
(閑さん……たくさん言いたいことはあったはずなのに、まず自分から、私に胸の内を明かしてくれてる……)
臆病な自分のために――。
そう思うと、小春は鼻の奥がつん、と痛くなった。
「で、小春ちゃんは、俺のことをどう思ってる?」
「わっ……私は……」
小春は声を震わせながら、ぎゅっとこぶしをにぎる。
そして自分の持っている勇気を全身からかき集めて、勇気を振り絞って、閑を見あげた。
「閑さんのこと、すっ……好きでしたっ……ずっと……素敵だな、って、思ってて……」