誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 間違っても、床の上に投げ出していいものではない。

「あっ、ハンガーに……」

 つい、反射的にそれらに手を伸ばそうとした小春の手は、やすやすと閑につかまれてしまった。

「服なんてどうでもいいから……。今は、俺だけを見て……感じて」

 閑は目に力を込めて、小春に顔を近づけると、そのままゆっくりと口づけた。

 長く唇が触れる。
 閑の体温を感じる。
 キスを終えると、ネクタイを緩めながら、閑は小春の上に、のしかかってきた。

「……寒くない?」

 膝で立った閑が、ネクタイを投げ捨てながら小春を見下ろし問いかける。

「す、すこし……」

 なんだかんだ言って、真冬の部屋だ。興奮しているせいか、あまり寒いとは思わなかったが、尋ねられるとそんな気がする。
 なんとなく両腕を撫でるように抱きしめると、肌の表面はひんやりとつめたかった。

「そう。でも大丈夫。すぐに熱くなるから」

 閑は不敵に笑ってシャツのボタンをすべて外すと、鍛えた裸の上半身をおしげもなく明かりの下に晒した。

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