誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
だが小春の体にふれる指先は、相変わらず、強く、弱く、小春の下着の上をなぞるだけで、わざと焦らされているような気配があった。
「優し……かったです」
小春はそんな静かに戸惑いながらも、素直にうなずく。
実際――閑に抱かれている間、酔っていたのだけれど、小春は夢を見ているような気持ちで、彼に身をゆだねていた。多少、痛みもあったが、そんなことよりも、ずっと憧れていた彼に抱かれることの喜びの方が、ずっと大きかった。
本当に、あの夜には、辛いことなどなにひとつなかったのだ。
「そう……君を傷つけてなくてよかった」
そうは言いながら、閑は小春のこめかみにキスを落とすついでに、そっと耳たぶに歯を立てる。
「ん……」
その刺激は、甘い痛みだった。
とろけるような空気の中の、ほんの少しのスパイス。
小春がたまらず息をのみこむと、閑はふっと笑ってささやく。
「それで俺が、小春が初めてだったの、どうして気づかなかったのか、考えてみたんだけど」