誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
「でも、がんばる。ちゃんとお父さんにオッケーもらうから」
ここであきらめるわけにはいかない。いくら反対されようが、東京の、閑の側にいたいという気持ちは揺らがないのだ。
『そうよ、その意気よ。小春ちゃんは昔から引っ込み思案なところあるからね。たとえ相手がお父さんだろうがなんだろうが、自分の意志はちゃんと伝えるのよ』
スマホの向こうで、希美が嬉しそうな声をあげる。
「わかりました」
それを聞いて、小春はまじめにうなずいた。
『ところでクリスマスはどうするの? 年末帰るのはいいとして、その前にクリスマスがあるじゃない。彼とどう過ごすの?』
「それは――」
小春は少し考えるようにして、視線を天井に向ける。
(世間ではもう、クリスマス……だよねぇ)
そう、気が付けば十二月も半ばをすぎ、一週間もしないうちに、クリスマスがやってくる。食堂のある下町の商店街ですら、今月に入ってキラキラした照明で飾り付けられているのだ。