誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
『どうしたの、小春ちゃんっ!?』
小春の悲鳴を聞いて、スマホの向こうから慌てた希美の声が響く。
だが小春だって、口から心臓が飛び出るくらい驚いた。
「し、閑さん、いつのまに!」
胸の奥が、バクバクしている。思わず我を忘れて叫んでいた。
「背後から忍び寄ってくるの、やめてもらっていいですか!」
そこでようやく希美の耳に、うろたえた小春の声が届いたらしい。
『なぁーんだ、びっくりした。神尾さんね』
「おはようございます」
『こっちはもうすぐ日付が変わるわよ』
希美は閑の呼びかけに楽しそうに笑って、
『はい、ごちそうさま。邪魔してごめんなさいね。好きなだけイチャイチャしたらいいわ。またね~』
と、一方的に通話を終えてしまったのだった。
「あっ、キミちゃん、ま、またねっ……!」
抱きしめられたままで、身動きがとれない小春はしどろもどろになりながら返事をし、それから閑をおそるおそる、肩越しに振り返る。