誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 自分は今までどれだけ、甘えていたのだろうと、胸がヒリヒリするのだった。

【別に情けなくなる必要はないよ】

 閑が優しくさとす。

「でも……今回のことで、私、反省すると同時に、お父さんと同じこと、閑さんにしてたんだって、やっと気づいたくらいで」

 すると、電話の向こうの閑が、ふっと笑う気配がする。

【人は、失敗する生き物だ】
「え?」

 唐突とも思える彼の言葉に、小春は目を丸くする。

【弁護士という仕事をしていると、すべてを完璧にこなしているって思われがちなんだ。でもさ、依頼人、裁判所、あちこちで多くの人と関わっていると、自分も気づかないうちに、思いもよらないかたちでミスを犯してしまうことは、普通にあるんだ。だから、日ごろからミスをしないように気を付けるし、仮に致命的なミスを犯してしまったらどうするべきか、その対処法を事前に学んでおくことがとても大事な業務なんだけど、これは弁護士という仕事の上だけのことじゃ、ないと思うんだ】

 そこで閑は、さらに優しい声で、小春に語り掛ける。


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