誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 黙り込む小春をよそに、閑は次々に、部屋の間取りをプリントアウトしたものを、封筒から出して並べ始める。こうなると、気を配っているというのはかなり抑えた言い方かもしれない。当の小春が困ってしまうくらい、閑はかなり過保護になっていたのだった。

「あの……神尾さん。お気持ちは嬉しいんですが、まだどこで働くかも決まってないし、もう少しあとでも大丈夫だと……」

 すると閑は秀麗な眉根を寄せて、小春を見あげた。

「なにを言ってるんだ、小春ちゃん。いい部屋はすぐに埋まってしまうんだよ。せめておおよその場所くらいは決めておかないと」
「でも、神尾さんが持ってきてくださる物件高すぎるので……」

 そうなのだ。閑が持ってくる物件は、どれも小春がひとりで住めるような部屋ではないのである。

 ここ一週間、彼が「これはどうだ」と持ってくるものは、そんなものばかりで、善意だとわかっているからこそ、小春はほとほと対応に困っていたのだった。


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