誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
「高すぎるって……」
閑は憤慨して、その場にすっくと立ちあがった。
「でも、小春ちゃんの安全が――」
「心配しすぎですよ。子供じゃないんだし……。私、大人です。なんでもひとりで出来ます」
小春は急須に沸騰したお湯を注ぎ、お盆に乗せてカウンターの外に出ると、閑の隣に立って、ゆっくりとお茶を淹れる。
「どうぞ」
お茶碗を閑の前に置くと、「ありがとう」と閑はうなずき、また椅子に腰を下ろした。
小春の意見を聞いて、少し反省したのか、軽く目を伏せため息をついた。
「――確かに少し、俺は遠回りな心配をしていたかもしれない」
「そうですよ」
やっと気づいてもらえたようだ。
小春はお盆を抱えて、閑を見下ろした。
「二年分の貯金もありますし、仕事と一緒に住む場所も探します。それに、いざとなったらシェアハウスっていう手もあるかなって……」
「シェアハウス!? それはダメだ、絶対にダメだ」
おとなしくなっていたのは一瞬だった。
小春の発言に、閑は一気に眉を吊り上げた。