誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
「えっ……」
「別にすべてのシェハウスが悪いとは言わないけれど、やはり見ず知らずの人間同士が一緒に住むんだ。トラブルは多い。だからダメ」
「――」
ああ言えばこう言う閑に、小春は一瞬、真顔になったが、反射的に言い返してしまった。
「だったらどこが安全なんですか? 私のお給料の範囲内で、神尾さんが安心出来る場所って、ありますか?」
言った瞬間、しまったと思った。
確かに、そんな部屋を探してくれとは頼んでいないが、神尾は百パーセント善意で、小春のために探してくれているのだ。
閑のくっきりした二重の目が、大きく見開かれるのを見て、小春は落ち込んだ。
(私ったら……ついむきになってしまって……反省だわ)
お盆を胸に抱えて、深々と頭を下げる。
「神尾さん、ごめんなさい……!」
だが彼から返ってきたのは予想外の言葉で――。
「そうか、その手があった」
「えっ……?」
「俺の部屋」
「はい……?」
閑はにっこりと笑って、立ち上がると、小春の肩に手を乗せて、その端整な顔を近づける。
「俺の部屋に来ればいい。おいで、小春ちゃん。俺と一緒に住もう」
(えっ……えええっ……えええーーーーっ!!)