誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
お茶碗でもお箸でも、とにかく探せばいろいろ発掘できたのだが、どれも本当に立派で、どちらかというとハレの日に使うようなものばかりなのだ。
気にせずじゃぶじゃぶ洗える食器があればなぁと思っていたのは事実だった。
「そういうの、明日買いに行こう」
「――はい」
いつまで同居しているのかわからない自分のために、食器を買うのはもったいないような気がしたが、閑の好意は純粋に嬉しい。
「明日、お出かけですね」
(ふたりで出かけて、日用雑貨を買うなんて……。まるでデートみたいじゃない?)
内心そんなことを考えていたら、
「実質デートだね」
と、閑が笑う。
「えっ!」
一瞬、心を読まれたのかとヒヤッとしたが、そんなはずはない。
「あ、ごめん。今のは俺の勝手な願望というか……まぁ、うん。ご馳走様。今日も美味しかったです」
閑は少し照れたように笑って、顔の前で両手を合わせ、ペコッと頭を下げる。
「あっ、いえ、お粗末さまでしたっ……」
(今、願望、願望って言った!? いやいや、社交辞令だよね、そんなの本気じゃないに決まってるし……!)
小春も顔を赤くしつつ、ペコペコしながら頭を下げた。