明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
「せ、洗濯は得意ですから、気にしないでください。それより行かないと……」


しどろもどろになりながら答えたが、彼は手を離そうとしない。

あまり遅くなって、初子さんと入れ替わっていることがバレてはまずいのに。


「きみは、空を飛び回る鳥のようだね。一瞬でも気を抜いたら、あっという間に空の向こうに飛んでいってしまいそうだ」


彼はそんなことを口にしながら、緩やかに口角を上げる。

この人、優しそうだわ。
ふとそんなことを考えてしまい、頬を真っ赤に染める。

どうしてこんなに胸が苦しいのかしら……。

その原因がわからぬまま抵抗する力を緩めると、ようやく腕を解放された。


「わかったよ。それではこれは引っ込める。だけど送っていくから乗って」
「いっ、いえ……」
「それじゃあこれを受け取るか、どっちがいい?」


彼はさっきとは違う意地悪な笑みを浮かべ、私に選択を迫る。


「……送って、ください」
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