明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
「謝らなくていい。欲というものは制止されればされるほど、弾けたときの力がすさまじいと教えてやる」
「は、はいっ?」


どういうこと?


「あはは。今のは聞かなかったことにして」


彼は腕の力を緩め、目が飛びだしそうな私の顔を見つめて肩を震わせていた。


「あやは、俺の妻になり後悔はない?」


再び私を抱きしめた彼は、唐突にそう聞いてくる。


「まったくありません。行基さんをお慕いしております」


正直な胸の内を口にするのには勇気が必要だった。

だけど、『愛している』と言ってくれた彼に、私も包み隠さず胸の内を伝えたくなった。


「そうか。それならよかった。あんな形で婚姻関係を結んだから、心配だったんだ」

「行基さんは、後悔はないのでしょうか?」


私は思いきって尋ねた。
愛おしく思う女性が他にいるのではないかとずっと勘ぐっていたからだ。


「もちろん、ない。あやと生活を初めて楽しいことばかりだし、愛おしいと思う気持ちが日に日に強くなる。ただ……俺の近くにいるとなにかと——」
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