明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
そして、下唇を甘噛みしてから離れた行基さんは、私をじっと見下ろし再び口を開く。
「不安はそれですべて?」
「あっ、あのっ……。行基さんは私が妾腹の子でも恥ずかしくないんですか? そんなことが世間に知られてしまったら、行基さんや津田紡績が悪く言われ——」
「俺はあやを愛しているんだよ」
私の言葉を遮る彼は、頬にそっと触れてくる。
「あやが一橋の母上の娘ではないことに罪はないし、恥ずかしく思う必要もない」
以前にもそう言ってくれたが、改めて聞いて安堵する。
「万が一、一橋家とまったく血縁がなかったとしても、俺が愛しているのは目の前のあやだけなんだ。それに文句を言われる筋合いはない。もしも、出生をなじってくるやつがいれば、くだらないと笑い飛ばしてやればいいし、俺が守ってやる」
あぁっ、よかった。
『守ってやる』と力強く宣言され、うれしさのあまり瞳がにじみだす。
「不安はそれですべて?」
「あっ、あのっ……。行基さんは私が妾腹の子でも恥ずかしくないんですか? そんなことが世間に知られてしまったら、行基さんや津田紡績が悪く言われ——」
「俺はあやを愛しているんだよ」
私の言葉を遮る彼は、頬にそっと触れてくる。
「あやが一橋の母上の娘ではないことに罪はないし、恥ずかしく思う必要もない」
以前にもそう言ってくれたが、改めて聞いて安堵する。
「万が一、一橋家とまったく血縁がなかったとしても、俺が愛しているのは目の前のあやだけなんだ。それに文句を言われる筋合いはない。もしも、出生をなじってくるやつがいれば、くだらないと笑い飛ばしてやればいいし、俺が守ってやる」
あぁっ、よかった。
『守ってやる』と力強く宣言され、うれしさのあまり瞳がにじみだす。