明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
あれから行基さんに、『亡くなった愛しき人が、お前の行動を見て泣いている。お前は誰かを傷つけて平気な人間ではない。彼女が惚れてくれていた頃の自分を取り戻し、もう一度這い上がって来い。お前を信じて、秘書のポストはひとつ空けておく』と諭されたようだ。
行基さんの優しさが藤原さんに伝わっていることを祈るばかりだった。
その日も帰って来たばかりの行基さんに、今日の出来事を話し始める。
「行基さん、今日おせんべいを焼いたんです。行基さんにも食べていただきたくて」
「せんべい?」
興奮気味に話すと、彼は首を傾げる。
「はい。貞がお買い物に行くと言うので、私もついていって……。あ……」
しまった。女中のようなことはしなくていいと止められていたんだった。
貞もためらっていたけれど、家にいるのがつまらなくて頼み込んだのだ。
「どうやら本と舞だけでは物足りないらしいな」
「すみません……」
行基さんの優しさが藤原さんに伝わっていることを祈るばかりだった。
その日も帰って来たばかりの行基さんに、今日の出来事を話し始める。
「行基さん、今日おせんべいを焼いたんです。行基さんにも食べていただきたくて」
「せんべい?」
興奮気味に話すと、彼は首を傾げる。
「はい。貞がお買い物に行くと言うので、私もついていって……。あ……」
しまった。女中のようなことはしなくていいと止められていたんだった。
貞もためらっていたけれど、家にいるのがつまらなくて頼み込んだのだ。
「どうやら本と舞だけでは物足りないらしいな」
「すみません……」