明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
「お前のその優しさが、藤原に届いていると信じたい。ありがとう、あや」
彼は私を引き寄せ、頬に口づけを落とす。
「こ、こんなところで……」
幸い女中はいなかったけれど、誰かに見られるかもしれないのに。
「どんなところでも、あやへの気持ちを示したくなるんだよ。行ってくる」
「い、行ってらっしゃいませ」
私はカーッと熱くなってしまった頬に触れながら、やっとのことで送り出すことができた。
それからの私は、すっかり元通り。
毎朝懐中時計のねじを巻き、こっそりと「大好きです」と時計に向かって愛の告白をしている。
行基さんには恥ずかしくてとても言えないからだ。
藤原さんはどうやら秘書を外れ、工場での指南役に降格となったらしいが、一ノ瀬さんの話では、自分がしたことを深く反省し必死に働いているのだとか。
今回は、仕事上のミスではなかったもののあえて厳しい罰を下したのは、藤原さんに奮起してほしいからだと言う。
彼は私を引き寄せ、頬に口づけを落とす。
「こ、こんなところで……」
幸い女中はいなかったけれど、誰かに見られるかもしれないのに。
「どんなところでも、あやへの気持ちを示したくなるんだよ。行ってくる」
「い、行ってらっしゃいませ」
私はカーッと熱くなってしまった頬に触れながら、やっとのことで送り出すことができた。
それからの私は、すっかり元通り。
毎朝懐中時計のねじを巻き、こっそりと「大好きです」と時計に向かって愛の告白をしている。
行基さんには恥ずかしくてとても言えないからだ。
藤原さんはどうやら秘書を外れ、工場での指南役に降格となったらしいが、一ノ瀬さんの話では、自分がしたことを深く反省し必死に働いているのだとか。
今回は、仕事上のミスではなかったもののあえて厳しい罰を下したのは、藤原さんに奮起してほしいからだと言う。