明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
なんなの、この胸の疼きは。
苦しくてたまらない。

絡めとられてしまった視線を逸らすことができずにいると、彼はようやく顎から手を離し、私の唇を人差し指でスッと撫でる。

その撫で方が優しくて、そして艶っぽくて、息をするのも忘れる。


「お茶はもういい。祝言は疲れただろう。そろそろ寝よう」


彼は唇から手を離したものの、燃えるように熱い眼差しを注いだままだ。
どうにも耐えられなくなり、私のほうから視線を外した。


「こっちに」


行基さんがふすまを開けると、十二畳ほどの部屋に布団が二組ぴったりとくっつけて敷いてある。

これから彼に肌をさらすんだ……。


「あや」


この部屋に来たときと同じように動けないでいると、先に足を踏み入れていた彼は戻ってきて私を不意に抱き上げた。


「キャッ」
「世話が焼ける女だ」
「す、すみません……」


布団に私を下した彼は、私の顔の横に両手をついて見下ろしてくる。
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