キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
「お姉ちゃん、ごめんね。」

「唯ちゃん……………。」

二人の、なんとも情けない表情。

「血圧や体温も落ち着いたし、点滴をして顔色も良いから
今日1日入院したら、明日には退院できるって。」と洋介さんの説明を聞いて

ホッとした顔に戻ったの。

「先生、尋ちゃん…………心配かけて………ごめんね。」

点滴を受けて落ち着いたせいか、冷静になることができた。

「園長には……正直に話した。
相談せずに、ごめん。
恭子先生の事もあるし、女がどういう行動をするか分からないから……。
現に、エッチな本とバスに犬のウンチを捨てたのは……
恭子先生じゃないみたいだから。」

「園長先生…………困ってるよね?
辞めた方が良いのかなぁ?」

可愛い子供たちを危険なめに合わせられない。

「辞める必要なんてない。
唯ちゃんは何も悪いことしてないんだよ。
ただ、落ち着くまで………休んだ方が良いかな?とは思った。
これ以上危険ない目に合って欲しくないから。
尋ちゃんも和くんと相談して、大学を休むって言うし。」

尋ちゃんに目を向けると

「負けるみたいで悔しいけど……何かあってからだと
和くんとの幸せな未来も壊されちゃうもん。
あの女………狂ってるから。」

先生や洋介さんも、「うん、うん。」って頷いてる。

そっかぁ。

せっかく子供たちとお遊戯……頑張ったのになぁ。

「もしかして……お遊戯会を気にしてる?
それなら大丈夫だよ。
流石にこの間の事件は、子供にも保護者にもショックは大きかったから……
年を明けて、来年やることに決まったから。
冬休みまでの残り3週間。
お父さん達と相談して、なるべく早く解決できるように
和くんと二人で頑張るから……
尋ちゃんと唯ちゃんは、ちょっと我慢してくれる?」
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