キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
和也さんも先生も………

この時期はとっても忙しい。

それなのに、私達の事で迷惑をかけてしまう。

だったら………

私達にできる事は、これ以上の迷惑をかけないこと。

幼稚園に行けないのは淋しいけど……仕方ない。

「うん、お休みする。
ウチに居て大丈夫かな??」

和也さんのマンションまで調べてるなら………

ウチに居るのって、不味くないのかな?

「その事なんだけど……」

さっきまで私達を静かに見守ってくれていた洋介さんが……

「俺のお店どう?
ウチなら、パン焼きの手伝いも出来るし
部屋もあるからゆっくり出来るよ。
夜に和くんと悠人が迎えに来て帰れば、安心でしょ?
俺、一応男だし………商店街には交番もあるからね。」

予想もしなかった申し出に、先生も目をパチクリ!

「俺も両手に花で、良い思いできるから……
遠慮しなくていいよ。」

相変わらず優しい洋介さんは、気を使わないように話してくれる。

「……………洋ちゃん、ホントに良いの?」

「可愛い悠人の彼女と妹ちゃんだからね。
ただし、バイト代は出せないよ。
お昼のパンは、食べさせるから。
それに、これはウチの可愛い彩ちゃんのお願いだから。
『洋ちゃんが唯ちゃん達を守って。』って。
ちゃんと守れたら、冬休みの旅行が待ってるからね!」

こんな時なのに、クスクス笑える。

彩ちゃん…………ホントに良い人と出逢えて良かった。
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