キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
「……………………………尋……………ちゃん。」

「お姉ちゃん!!
ちょっと待ってて、お医者さんを呼んで来る。」

バタバタとスリッパを鳴らしながら、駈けていく尋ちゃん。

走ると危ないよ。

直ぐにお医者さんと看護師さんが来て、血圧や体温を計り

簡単な問診をして………

ここに来た経緯を話してくれた。

どうやら、精神的にいっぱいになって………意識を飛ばしたみたい。

お医者さんと看護師さんが、出るのと入れ替わりで

洋介さんが、入って来た。

「唯ちゃん、おはよう。
点滴のお陰かな?
顔色が良くなったね。
悠人達は、唯ちゃんが貧血だと聞いて………仕事に行かせたよ。
気がついたら連絡するって言ったから
今、妹ちゃんが電話してると思う。
流石に救急車を呼んじゃったから………園にバレちゃった。
悠人が、園長先生に説明して来るって。」

洋介さんの説明によると………

あのまま意識を飛ばした私に……救急車を呼んだみたい。

ここのところの寝不足とショックの大きさで、パニックを起こして

貧血を起こしたらしい。

先生は、園長先生に説明するために仕事に行ってるから……

洋介さんが付き添って……………

ええっ!!洋介さん!お店は?!

「あの………お店…………」

「大丈夫。
今日は、木曜だから定休日だよ。」

洋介さんと会話をしていたら、尋ちゃんと一緒に先生が入って来た。

「ここは病院だよ。
バタバタしないの。」

洋介さんに注意されて、ソッと近づく。
< 140 / 149 >

この作品をシェア

pagetop