キンダーガーテン三 ～それぞれの居場所に～

「まぁ、アズが一番乗りって言うのが……一番妥当だよね。
誰かさんが、早く自分のものにしたいからって
チョロチョロしてたから……ちょっと焦ったけど……。
…………で、アズは結婚したら何処に住むの？？」と海晴ちゃんが質問すると

「それがねぇ……………シドニー。」

「「「「シドニー！！！！」」」」

｢シドニーって………オーストラリアの？？？」

国内だと思ってたから………びっくり！！！

びっくりし過ぎて………淋しいって気持ちが、吹き飛んじゃった！！

「そっ！びっくりでしょう～？？？
さすがに、直ぐに帰って来れないから………ついて行こうかと思って！！
ほぼ毎日逢ってたのに、年に数回って………
淋し過ぎでしょう～？？」

それは………そうだよね。

唯だって、この園を辞めさせられて………一緒に働けないって思ったら

淋しくて………怖くて仕方なかったもん。

それでも、週末は逢えるけど………外国だと………無理だからね。

好きな人が近くにいないのって………考えられないよ。

結婚したら……………………ずっと一緒にいられるね。

「梓ちゃん！おめでとう。良かったね。
梓ちゃんが居ないのは………淋しいけど……。
好きな人と一緒にいるのが………一番良いなぁって思うから………応援する。
絶対、絶対…………幸せになってね！」

「唯ちゃ～ん。」って、ぎゅっと抱きついて

「離れても、ずっと友達だよ。
先生に虐められたら、いつでも電話しておいで。
専業主婦だから、大丈夫だからね！！
新婚旅行は、オーストラリアにして。
それまでに、いっぱい良いところを見つけて連れていってあげるから。」

「別に、虐めないし………。
新婚旅行に友達と一緒なんて………………」

先生は、ブツブツ言ってたけど……

「うん！！
色んなところを教えてね。」って、盛り上がってる唯には………

全く、聞こえなかったの。

「先生、可哀想にぃ～
初デートが尋ちゃん付きで、新婚旅行が友達付きだって～。
ついでに、みんなで一緒に行っちゃおうかぁ！！」って海晴ちゃん。

シブイ顔の先生は…………

『冗談じゃないかも……………』と

危機感を感じていたみたいだよ。