キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
「ねぇ~!聞いた?!
先輩達………とうとうみんな辞めちゃうって!!」

「えっ!!ウソ?!」

「アズもいなくなるし…………大ピンチじゃん!!」

「…………でも、みんな寿らしいよ~」

「げぇ~!
彼氏もいない、うちらだけが残っちゃうの~」

「いやいや、もう一人いるよ!彼氏持ち。」

そういうと、全員で唯を見る。

「まぁ!こんだけ辞めるんだもん。
さすがに唯ちゃんを辞めさせる訳にいかないって知ってるから………
安心だけどね!!」

そう答える夏苗ちゃんに

「アホ!!
あの男が、うちらを優先する訳ないでしょう。
唯ちゃんが『結婚したい』って言ったら、明日でも辞めさせちゃうよ。」

「う~ん、それもそうかぁ~
だったら唯ちゃん……お願い!!辞めないで!!
新人を何人抱えることになるの~!!
まだ3年目で……………無理だよう」

今日は彩ちゃんのお家に集まってご飯を食べてるの。

先生は、園長先生のお供でお出掛け中。……まだ帰れないんだって。

ご飯を食べておやつタイムに入ったところで……この会話。

う~ん。

結婚を少しでも早くしたいから………一緒に寝てるって言ったら………

どんな反応するんだろう?

なんて答えようか、考えていたら…………

「あっ、私ね。………………彼氏が出来たの。」って彩ちゃん。

えっ!!ウソ?!…………………彼氏???

驚く唯をほっといて………

「やっと。」

「とうとう告白したんだ。」と…………梓ちゃんと海晴ちゃん。

えっ!!

相手が誰だか分かってるの???

夏苗ちゃんまで

「そうかぁ~。彩、良かったね!」って当たり前に答えてるの。

えっ??相手って…………誰??

目をパチクリさせてたら……四人がニッコリ笑ってこっちを見てる。

「唯ちゃんは、分かんないだろうなぁ~」

「知りたい??」

「教えてあげても良いけど……その代わり、近況報告だよ!」って……

もう~いじわる~。
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