俺がこんなに好きなのは、お前だけ。


クラスメイトもまだ教室内にちらほらといる。
私と大志くんの関係を勘ぐっている人たちの目線も気になってしまう。



「でも今日俺、ビクビクしながら学校に来たんだ」

「なんで?」

「お前に避けられたら嫌だなって……性格悪いよな、俺」



苦しく笑う大志くんを真っ直ぐに見た。そんな顔で笑わないで欲しい。


友だちのままがいいのに、避けられるのも嫌だって思うことが性格悪いって思うの?

そんなこと、ないのに。



「避けないよ」

「うん」



好きだもん。舐めないでよ、私の気持ち。
むしろ避けられたらどうしようって思っていたのは、私のほうだ。


関わることをやめることしかできないって、花火大会の日の言葉がチラついていたし、バーベキューのこともあったし。


だけど、よかった。



「文化祭、楽しみだね」

「ん」

「まとめ役、頑張ってね。学級委員」

「お前も手伝えよ」

「わかってるよ」



私はね、大志くん。大志くんとこうやって話ができるだけで幸せなんだよ。知らないでしょう。


大志くんも私のことが好きって言ってくれたけど、もしかして大志くんもそうだったりするの?


私、間違ってたりするのかな……?


恋人になりたいって、そう思っていたけれど、彼氏と彼女にならなくても、お互いに気持ちが同じなら、このままでもいいのかな。


わかんない、な。



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