俺がこんなに好きなのは、お前だけ。
3人並んで図書室まで移動した。コミュ力の高い男子ふたりが私を挟んで会話を弾ませていき、私も時折会話に加わったり頷いたりして歩いた。
来週行われるテストの範囲の話だったり、得意不得意な教科の話だったり。
そして私の前でも優等生を演じている大志くんに違和感を覚える。
にこにこ笑って佐藤くんと話を繰り広げていく大志くんはなんだか大志くんじゃないみたい。
変だな。前までは優等生な大志くんしか知らなくて、無愛想な彼のことを"変"だと思っていたのに。
「よっしゃ〜、やんぞぉ〜」
やはり来週テストだということで、図書室は同じく勉強をしようという生徒で溢れ返っていた。
運良く空いていた4人席に3人でそのまま腰を下ろした。
私が座ったとなりに腰をおろしたのは佐藤くんだった。
目が合って微笑まれて、目を見開いた。私も曖昧に笑顔を返して、最初は英語をやろうということになっていたのでノートと教科書を開く。
英語はわりと得意なんだよね、私。
「なぁ、ここさぁ……」
「ん?」
佐藤くんがノートを私に見せるように尋ねてきた。
質問にできるだけわかりやすく、噛み砕くように説明していくと真剣な顔つきで聞いていた佐藤くんが「なるほどな。ありがとう」と最後に笑った。
首を横にふって前に向き直すと、ふと目の前に座っている大志くんと目が合う。
「小田さん、俺にも教えてくれない?」
「えっ?うん……」
にこやかな表情をした大志くんが身を乗り出して私にノートを見せてきた。私も身を乗り出してノートの中身を見て、質問に答える。
"小田さん"だって。ふたりのときは"おい"とか"お前"なのに。他人行儀みたい。