恋ってやつを教えてやるよ。

「げ!そうなの?」



亜川先生といえば、体育の教科担当の男性教諭。


実は、女子生徒の間ではちょっと有名な先生で、”変な目で女子を見てる”とか、怪しい噂が流れてたりする。


思春期の女子特有の根も葉もない噂だけど、こんな噂が流れちゃうのは、あのインパクトのある見た目も原因じゃないかと思うんだ。


太ってるし、なぜかいつも脂ぎってるし、さすがの私も抱き上げられるのはちょっと……いやかなり抵抗がある。



「そこにすかさず飛んできたのが元木でさ」


「え?ジロ?」


「そうなの。”美恋に触んなっっ!!”ってめちゃくちゃ怒って、美恋をお姫様抱っこして連れてっちゃった」


「おひ……えぇぇっ!?!?」



何それ!


ジロってば何やってんの!?


そりゃ、そんなことすれば亜川先生に呼び出されるよ……。


てか、みんなが見てる前でお姫様抱っことか。


茅野さんに変な勘違いされたらどうするつもりなんだろう。


せっかく両想いなのにさ……。




……そう、思うのに……。




「美恋、顔真っ赤だよ?」



クスッと笑う幸を前に、私は恐る恐る自分の頬に両手を当てる。
< 126 / 152 >

この作品をシェア

pagetop