恋ってやつを教えてやるよ。
苦虫を噛み潰したような顔のジロに、お得意のニヤニヤを向ける幸。
「何?何かあったの?」
「あー。美恋は気失ってたから知らないのか」
「おい!宍戸!コイツに余計なこと言うなよ!!」
「え。何?気になるんだけど」
「美恋!いいからお前は黙っとけ!!」
はー!?
何よそれ!
余計気になるんだけど!!
「とにかく!俺は亜川んとこ戻るけど、余計なことは絶対言うな!聞くな!わかったな!?」
ジロは、そう言って私達にもう一度釘を刺すと、バタバタと保健室を出ていってしまった。
「あんなふうに言ったら逆効果だってわかってないとこが元木だよね」
そう言いながら立ち上がると、幸は私から離れ、薬箱の入った棚を漁り始める。
「あったあった」と言って薬箱を持って戻ってくると、私がいるベッドの上に腰を下ろした。
「指、応急処置だから、あまりにも痛むようなら病院行ってね」
「うん。大丈夫。ありがと」
私の手を処置しながら、「んで、さっきの話だけど」と言って、幸は話を再開する。
「美恋が倒れた時ね、丁度亜川先生が近くにいて、美恋を保健室に運ぶために抱き上げようとしたのね」