恋ってやつを教えてやるよ。
今日は、ジロと高峰くんは食堂で。
私と幸は教室で昼食をとることになった。
久しぶりに平和な昼休みだ。
最近ずっとジロが恋活だ何だってうるさくて昼休みもつきまとわれてたから、全然心が休まらなかったもんなぁ。
あー。今日は、なんてまったりした昼下がり。
売店のパンが100倍美味しく感じる!
「でもさ、これから美恋、もっと告白される機会増えるかもしれないね!」
「まさかぁ!今日の人がたまたま物好きだっただけだよ」
「いやいや!美恋は自分の魅力に気づいてなさすぎ!元木も言ってたけどさ、美恋ってちゃんとすればかなりイケてる方だと思うよ?なんて言うか、茅野さんとはまた違った感じに!」
どんな感じよそれ。
自分をそんな風に思ったこと一度もないんだけど。
小さい頃からお兄2人に散々ブスだのタコだの言われて育ってきたからなぁ……。
今の幸の発言を聞いたら、きっとお兄達笑い転げるよ。
「親友の贔屓目だよ。でも、ありがとう」
「えー!贔屓目なんかじゃないのにー!」
頬を膨らませる幸を「はいはい」となだめて、購買で買ったコロッケパンにガブリとかぶりつく。
あんな告白、たまたまに決まってる。