恋ってやつを教えてやるよ。

ジロと付き合ってるって勘違いされることは今までも多々あったけど、何だか今は絶対にそんな勘違いされたくない。


だって、ジロには他に好きな子がいるんだから!



私なんて、“ただの”幼なじみなんだから!


ただの……。



胸の奥がまたしてもチクッと痛む。



何なのこれ。


不愉快だ。


不愉快な勘違いだ。



彼が悪いわけじゃないと分かっていても、つい鋭い目を向けてしまう。



「一体、何でそんなことを聞くの?」



訝しげにそう問えば、田原くんの視線が気まずそうに泳いだのが分かった。



「僕……」



何を言われるのか、ゴクンと唾を飲み込む。



「飯島さんのこと、好きになりました!!」



そうか。好きに…………ってえぇっ!?!?



「僕と、付き合ってください!!!!」



でぇぇぇぇーーーーー!?!?!?














「マジ!?すごい!それ、完全に恋活効果じゃん!」


「いやぁ……どうかなぁ」


「それで!?告白されてどうしたの!?」


「もちろん、丁重にお断りしたよ」


「えー、そっかぁ」



その日の昼休み。
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