アスカラール
鋭いと言えば鋭いが、ウザいと言えばウザいかも知れない。

「成孔さん、あんまりしつこいようでしたら嫌いになりますから」

自分の気持ちを口に出した美都に、
「美都に嫌われたくない」

成孔はギュッと美都を抱きしめてきた。

「他には嫌われてもいいけど、美都にだけ嫌われるのは嫌だ」

「訳がわかんないです…」

「だって、好きなんだもん」

甘えるように頬ずりをしてきた成孔に美都はどう返せばいいのかよくわからなかった。

(自分で言っていて恥ずかしくないのかしら?

それとも、海外で暮らしていた時間が長いからそうなるものなの?)

ストレート過ぎる成孔の愛情表現に美都は心の中で結論をつけた。

その時だった。
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