アスカラール
翌朝、美都は電車に乗るとカバンからスマートフォンを取り出した。

『おはよう、今日もいい天気だね』

スマートフォンには成孔からメールが届いていた。

いつもの光景である。

美都は画面を指でタップすると、
『おはようございます』
と、メールを作成した。

『いつでも構いませんが、お会いできる日はありませんか？

一緒に七夕祭りに行ってくれたお礼がしたいので私と会ってください』

送信…と、美都は作成したばかりのメールを送った。

いつもだったらスマートフォンをカバンに戻すのだが、今日は違った。

成孔からのメールを今か今かと待っている自分に美都は気づいた。

そのことにハッと我に返ると、美都はすぐにスマートフォンをカバンの中に入れた。

だけども、成孔からの返事を楽しみに待っている自分がいた。
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