Black Cherry ~にゃんこな彼女は一筋縄では捕まらない~

Black Cherryをゆっくり飲むあいだ、色男は優しい顔のまま隣で飲んでいる。

そして、私は元来お酒に強くない。
三杯目のカクテルは簡単に私と警戒心などを剥ぎ取り、今日飲みに来た理由などをスルスルと話すハメになった…


「ありえないわよね、二ヶ月前まで付き合ってた男がなぜか私の親友とデキ婚。その招待状が私に届くって…」


萌衣は私が彼と付き合っているのを知っていた。
だって紹介してたから。
いつから?二人はいつから私を裏切っていたの?


「もちろん、ふざけるなって怒りで欠席に丸つけて返したわ。でもその男の方は同じ職場で部署は違えどフロアは一緒なの。今日殴りたい衝動抑えるのに苦労したわ…。だから今日はヤケ酒みたいな物よ。これを飲んでさっぱり忘れるの」

幸いなのは社内恋愛なので、それを隠してたこと。
付き合っていた二年、実は彼に今みたいな着飾った姿は見せなかったこと…。
結局私はなんだかんだ言いつつ彼には完全に心を開けなかった…
だから離れていったのだろう。
萌衣はその辺は甘え上手な可愛い女だから…

私はそんな訳で親友と彼氏を一片にサヨナラしたわけである。

共通の友達の沙苗には経緯を話し、二人の結婚式には沙苗も欠席にしてくれたし、沙苗と萌衣は大学も一緒だったのでそちらにも情報は回り女子の出席率は限りなく低いだろうとのこと。

なかなかのしっぺ返しだけど、自業自得だと思う。
昔からその気配あった萌衣だから、それでもと思っていた糸もプツンとこれで切れた。
二度と関わることはないだろう。
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