Black Cherry ~にゃんこな彼女は一筋縄では捕まらない~
初めて会う、しかもレベルの高い色男に愚痴りながら呑んで…
私はやっとスッキリしたらしい。
「こんなしょうもない愚痴を聞いてくれてありがとう。おかげでスッキリしたわ」
そうしてBlack Cherryを飲み干すと、私は席を立った。
「待って。今日君に一目惚れしたと言ったら君は信じる?」
私の腕を掴み言うその声と顔は真剣。
立ち止まった私は、きっともう捕まってしまったのだろう。
相手は私より場数をこなした色気のあるイケメンなのだから…
それでも、私だってそれなりの経験値から覚悟をしてそれに乗った。
「人の話が聞ける貴方だから、信じてもいいわ」
そうして、その後は流れるように近くのシティホテルへ。
私は久しぶりに感じる温もりの暖かさと優しさに、その身を預けた。
彼は、優しく、甘やかにそして溺れるほどの快感を与えてくれた。
出会った時間も遅くなかったので、私が目覚めた時はまだ日付が変わる前。
隣には深く眠ってしまったのか、起き上がる私に気づかぬまま綺麗な顔で寝ている、色気の漂うイケメン。
良く見れば、一方的に知ってる顔だった事に驚きながらも私は、小さく声をかけた。
「こんなに優しくて激しくて、心地よかったのは初めてだったわ。ありがとう。さよなら…」
そうして、私はコレを一夜の過ちとして流した。
大人の苦しい夜には、こんな時もあるさと…