ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~





犬……?



舐めろ?







身体中に悪寒が走った。





無意識のうちに、身体が震えていた。




俺には、何も言わずに首を左右に降ることしか出来なかった。






「……身体を壊すと言ってるだろ。お前は出来損ないでも大事な息子だ。俺はお前に死んで欲しくないんだよ。食え、光輝」





父さんは床に散らばったご飯を指さしていった。





「……い、やだ」



誰がこんな汚ねぇもん……。


その時、俺のお腹がぐーっとタイミング悪く音を立てた。





「ほら、お腹が空いてるんだろう?
さあ早く食え。
……食わないってんなら、俺が無理矢理食べさせてやる」




父さんは、骨が折れて身動きの取れない俺にそっと近づいてきた。






逃げろ。



逃げなきゃいけないんだよ。



俺は自分の折れた太ももを凝視した。




……動けよおい。







今、このままここにいたら、俺は……っ。






「んーっ!!!」




父さんに背後から背中を押され、無理矢理床に散らばったご飯の上に顔を押し付けられた。





ご飯と一緒に、黒い埃やコバエの死体が混じって口の中に入ってきた。
















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