ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
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永時望。
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交際も五年目にさしかかり、
結婚も目前だったある日、婚約者が死んだ。
マンションの隣の部屋が火事になって、
そこにいた子供を助けに行って。
その子の親でもないのに。
そうして、結婚式の前日、
俺の幸せな人生は音を立てて崩れた。
死のうなんて思ってなかったが、生きる気力
が湧かなくて、無気力に歩いていたら
いつの間にか車道に突っ込んでいて、
車に轢かれそうになった。
でも、轢かれなかった。
中学生の子供に助けられたから。
その子供は俺と同じく、
生きることに投げやりな子だった。
この出会いは偶然か、必然か。
そんなのわからない。
でも、生きてみてようと思った。この子が、
投げやりに生きるような子じゃなくなる日まで。
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何もかも解決して、虐待の夢も見なくなった。
「俊平ー!!」
でも、変わらず見る夢もある。
それは、本気で愛したあの子の夢。
匂いも、雰囲気も、顔も、何もかも今も鮮明に思い出せる。
……神様、叶うなら、あの子にもう一度会わせて。
「……俊平さま、貴方にお伝えしたいことがあります」
再び突然現れた執事。
彼が俊平に伝えたいこととは……?
*書きたくて仕方がなかったので、かかせていただきます。一匹狼くん、拾いました。を読んでからお楽しみください。よろしくお願いします!
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俺の髪色と同じ色をした空に、君は願いを込めた。
――自分の分まで、俺達が幸せになるようにと。
そんな幻想と祈りを叶えるためだけに、
俺達に精一杯の愛を贈って、
あの日、君は消えた。
空我(クウガ)・フィリア=セント。
母親に虐待されたことがあり、軽度の記憶障害を抱えている。
×
赤羽奈々絵(アカバナナエ)
重度の病気持ちで、秀才。自分の存在理由を知りたがっている。IQは180ある。
×
日比谷恵美(ヒビヤメメグミ)
社長令嬢の姉気質な女の子。奈々絵の彼女で、裕福すぎる家庭に不満を抱えている。
好きだったから、できないこともある。
好きだったから、譲れないこともあったんだ。
赦されることなら、君に愛してるって言いたかった。
赦されることなら、ずっとお前らのそばにいたかった。
俺が、死ねばいい子供じゃなかったなら。
「お前が死ねばよかったんだ!!」
家族が死んだ葬式で親戚に言われたのは、そんな酷い言葉だけだった。
女みたいな名前で愛想もない子供より、その子を庇っ手死んだ姉の方が優秀で、いつも笑ってるから。みんな、俺が死ねばよかったんだって言った。
……好きで生き残ったわけじゃない。
俺に生きる意味なんかない。神様がいるなら、どうか時間を戻して……。
そしたら、今度は俺が死ぬから。
「あたしは、奈々絵が生きててよかったと思ってる」
「お前だけそう思ってても、意味ねぇよ」
恨まれたことしかない彼の瞳は、あまりにも暗すぎる。
その暗い瞳を明るくするのは……。
「――奈々絵のことは、俺に任せてくれないか。あいつの気持ちを一番わかってるのは、俺だと思うから」
――少年はただ、誰かに必要とされたかった。
*暴力表現やグロ描写が多々あります。嫌な人はお引き取り願います。
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