もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



病院のベッドの上で休む拓叶の手を握る…


早く拓叶に会いたくて、迎えに行ってびっくりさせようと思って歩いていたら、道端で倒れそうになった拓叶が見えて駆けつけた。


呼吸が乱れていて、震える身体に頭がパニックになった時、通りすがりの人が救急車を呼んでくれたんだ。


お医者さんは何も異常がないから、一晩ゆっくり休んでいきなさいと言ってくれた。


それにしてもなんで急に…



『母…さん』


「拓叶!?」



苦しそうに声を出した拓叶に駆け寄り、拓叶に手を伸ばそうとした時…


《パンッ…》


と、音を立てて手を払われた…



『はぁ…はぁ…俺に…触る…な』


「拓叶…?」



苦しそうにベッドシーツを掴む拓叶の手…


どうしよう…


あたし…どうしたら…



「拓叶…ひくっ…ひくっ…」



どうしようもできないあたしは、ただ名前を呼んで泣くことしかできなかった。


止まらない涙に腹が立つ…



『…藍?』


「ひくっ…ひくっ…」



拓叶の声が聴こえた気がした…


だけど、拓叶を見れなくて気がつくと病室を飛び出していた。







< 234 / 276 >

この作品をシェア

pagetop