もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
賑わう人集りから、人気の少ない校舎裏まで来ると、拓叶は足を止めた。
「拓叶…」
『俺、藍の事がすげー好きなんだよ。』
背を向けられたまま零された言葉に、胸がギューっと、締め付けられる。
『これからもずっと…傍にいて欲しくて…それで』
もう居てもたってもいられなくて、あたしは拓叶を後ろから抱きしめた。
拓叶の腰に手を回して、ギューっと。
「拓叶は本当に優しいね。」
『…』
「いつも自分のことを後回しにして、あたしのことばっかり」
今だってそうだ。
あたしが言い出してしまったから、拓叶は場所を変えて予定を変更してくれた。
あの場で突き放すこともできたのに、拓叶はそうはしなかった。
「拓叶、お母さんに会った日から…無理して笑ってない?」
『…』
「ごめんね…あたし、頼りないよね。」
『そんなことねぇよ…ないから。』
拓叶から一旦離れて、正面に向き合うと、拓叶はあたしを抱き寄せた。