独占欲強めの王太子殿下に、手懐けられました わたし、偽花嫁だったはずですが!
「三着仕立てる分のレースはいただけるのですか」
「もちろん。ですから、お渡しするのは合計で六着分になるわね」
フィリーネの言葉に、クラインは真剣な表情になった。真面目に考え込んでいる様子だ。
「ボビンレースが『糸の宝石』とも呼ばれているのは、あなたも知っているでしょう。釣り合いは取れるんじゃないかと思うのだけど……足りないかしら」
実のところ、庶民なら一家四人の生活を三年以上支えられるくらいの値段がつくレースも今回持参している。鞄の中からそれを取り出すと、クラインはますます真面目な顔になった。
「実のところ、素晴らしいレースを身に着けた令嬢が、殿下のお心を射止めたと評判になっておりますよ。実際、とても見事な品だと思います」
あともう一息。
クラインとの交渉は、なんとか形になりそうだ。フィリーネは一度口を閉じた。一度大きく息をつき、それからクラインを見つめる。
「もちろん。ですから、お渡しするのは合計で六着分になるわね」
フィリーネの言葉に、クラインは真剣な表情になった。真面目に考え込んでいる様子だ。
「ボビンレースが『糸の宝石』とも呼ばれているのは、あなたも知っているでしょう。釣り合いは取れるんじゃないかと思うのだけど……足りないかしら」
実のところ、庶民なら一家四人の生活を三年以上支えられるくらいの値段がつくレースも今回持参している。鞄の中からそれを取り出すと、クラインはますます真面目な顔になった。
「実のところ、素晴らしいレースを身に着けた令嬢が、殿下のお心を射止めたと評判になっておりますよ。実際、とても見事な品だと思います」
あともう一息。
クラインとの交渉は、なんとか形になりそうだ。フィリーネは一度口を閉じた。一度大きく息をつき、それからクラインを見つめる。