独占欲強めの王太子殿下に、手懐けられました わたし、偽花嫁だったはずですが!
庭に用意されているテーブルは、自由に使ってもいいということになっている。フィリーネの姿が見当たらないので探しに行ったら、彼女はそのテーブルで従者とお茶を飲んでいた。
なにせ、ここには従者として来てはいるが、パウルスはフィリーネの親戚だ。侯爵家令息であり、いとこという血縁関係にあることもあってフィリーネにとっては、生まれた時から一緒にいる信頼できる相手だろう。
(……面白くない)
その時、自分の心の中に芽生えた感情に、アーベル自身が驚いた。面白くない——と思っている。
フィリーネが、アーベル以外の男の前で、あんな風に笑っている。フィリーネはアーベルの『お気に入り』なのだから、あんな風にパウルスと笑い合っている場合じゃないのに。
二人がお茶を飲んでいるテーブルに割って入ったら、パウルスは慌てた様子で立ち去った。今度こそ真面目にフィリーネと話をしようと思ったら——また、ライラが邪魔をする。
(……どうして、そう平然としていられるんだ。こいつは)
なにせ、ここには従者として来てはいるが、パウルスはフィリーネの親戚だ。侯爵家令息であり、いとこという血縁関係にあることもあってフィリーネにとっては、生まれた時から一緒にいる信頼できる相手だろう。
(……面白くない)
その時、自分の心の中に芽生えた感情に、アーベル自身が驚いた。面白くない——と思っている。
フィリーネが、アーベル以外の男の前で、あんな風に笑っている。フィリーネはアーベルの『お気に入り』なのだから、あんな風にパウルスと笑い合っている場合じゃないのに。
二人がお茶を飲んでいるテーブルに割って入ったら、パウルスは慌てた様子で立ち去った。今度こそ真面目にフィリーネと話をしようと思ったら——また、ライラが邪魔をする。
(……どうして、そう平然としていられるんだ。こいつは)