独占欲強めの王太子殿下に、手懐けられました わたし、偽花嫁だったはずですが!
「クラインの店にだけ、ユリスタロ王家取り扱い正規品の札のようなものを渡すのはどうだ。いずれ、他の店にも販路を広げるのだとすれば、なんらかの形で証明は必要になるだろう」
「……父に相談してみます」
王家承認の印を与えることまでは想像していなかったから、アーベルの提案は非常にありがたいものだった。
「今後も、私とだけ取引してくださってもよろしいんですよ」
なんてクラインはにこにこしている。彼が怒っていなかったということにフィリーネは安堵した。彼との間にも、信頼関係を作ることができていた。それが嬉しい。
それに、アーベルのいいところもまた一つ知ることができた。こんな手をすぐに思いついてくれるのだから、政務にもきちんと取り組んでいるのだろう。
アーベルは、フィリーネの姿勢から得るものがあったと言ってくれた。そして、今、フィリーネは彼の提案を素直に受け入れる気持ちになった。
たぶん、彼は国際的な会合の場でも、何度も経験を積んでいて、そもそもフィリーネとは背負っているものの大きさが違う。けれど、とフィリーネは思うのだ。
「……父に相談してみます」
王家承認の印を与えることまでは想像していなかったから、アーベルの提案は非常にありがたいものだった。
「今後も、私とだけ取引してくださってもよろしいんですよ」
なんてクラインはにこにこしている。彼が怒っていなかったということにフィリーネは安堵した。彼との間にも、信頼関係を作ることができていた。それが嬉しい。
それに、アーベルのいいところもまた一つ知ることができた。こんな手をすぐに思いついてくれるのだから、政務にもきちんと取り組んでいるのだろう。
アーベルは、フィリーネの姿勢から得るものがあったと言ってくれた。そして、今、フィリーネは彼の提案を素直に受け入れる気持ちになった。
たぶん、彼は国際的な会合の場でも、何度も経験を積んでいて、そもそもフィリーネとは背負っているものの大きさが違う。けれど、とフィリーネは思うのだ。