独占欲強めの王太子殿下に、手懐けられました わたし、偽花嫁だったはずですが!
「……何か、問題でも?」
「いや、そういう事情ならいいんだ。とにかく、今日はこのまま城に戻るぞ」
「はい!」
アーベルに気付かれないといいなと思いながら、フィリーネは彼の方に体重を少しだけ預けた。アーベルの花嫁選びが終わるのはあともう少し——だから、その時までに、この気持ちに整理をつけないと。
(……でも、よかった)
来てくれたのがアーベルでよかった。彼ともう少しだけ一緒にいられてよかった。
ふと視線を上げれば、隣で馬を進めているパウルスがにやにやしながらこちらを見ている。フィリーネは、ぷいっと顔をそむけたのだった。
フィリーネが、国王に呼び出されたのは、それから数日後のことだった。まさか、自分がアルドノア王国の王に呼び出されることがあるなんて思っていなかったから緊張してしまう。
急いで身なりを整え、呼び出された場所に行ってみれば、そこにはかなりの人数が集まっていた。そのうち何人かは、縄で両腕を拘束された悪人だ。おそらく、あの時、フィリーネをとらえた一団なのだろう。彼らの顔も、よく覚えていないけれど。
「いや、そういう事情ならいいんだ。とにかく、今日はこのまま城に戻るぞ」
「はい!」
アーベルに気付かれないといいなと思いながら、フィリーネは彼の方に体重を少しだけ預けた。アーベルの花嫁選びが終わるのはあともう少し——だから、その時までに、この気持ちに整理をつけないと。
(……でも、よかった)
来てくれたのがアーベルでよかった。彼ともう少しだけ一緒にいられてよかった。
ふと視線を上げれば、隣で馬を進めているパウルスがにやにやしながらこちらを見ている。フィリーネは、ぷいっと顔をそむけたのだった。
フィリーネが、国王に呼び出されたのは、それから数日後のことだった。まさか、自分がアルドノア王国の王に呼び出されることがあるなんて思っていなかったから緊張してしまう。
急いで身なりを整え、呼び出された場所に行ってみれば、そこにはかなりの人数が集まっていた。そのうち何人かは、縄で両腕を拘束された悪人だ。おそらく、あの時、フィリーネをとらえた一団なのだろう。彼らの顔も、よく覚えていないけれど。