独占欲強めの王太子殿下に、手懐けられました わたし、偽花嫁だったはずですが!
それから、虹の乙女イリスのレースを織っているのは、芋の収穫を終えたおじさんだし、少し離れたところでデザイン画を描いているのは、元靴職人の老人だ。
子供の頃から植物の絵を描くのが好きとのことで、デザインを担当してくれている。今は、店を息子に譲り、靴修理だけを受け持つ合間にこうしてデザイン画を描きに来てくれているのだ。
糸を運んだり掃除をしたりして手伝いをしているのは、七歳の女の子だ。
「全員、若い女性が織っているものだと思っていた。ライラもそう言っていたしな」
その様子を見ていたアーベルが、ぽつりとつぶやいた。
「……三乙女のレースではあるんですけど、作り手が全員乙女とは私、一度も言ってないんですが……」
乙女の手によるレースだと言ってしまったのは事実だけれど、全員乙女とは言ってない。というのは言い訳だろうか。
「あのライラ様のこと……本当によかったんですか?」
フィリーネが問うと、アーベルは肩をすくめた。
子供の頃から植物の絵を描くのが好きとのことで、デザインを担当してくれている。今は、店を息子に譲り、靴修理だけを受け持つ合間にこうしてデザイン画を描きに来てくれているのだ。
糸を運んだり掃除をしたりして手伝いをしているのは、七歳の女の子だ。
「全員、若い女性が織っているものだと思っていた。ライラもそう言っていたしな」
その様子を見ていたアーベルが、ぽつりとつぶやいた。
「……三乙女のレースではあるんですけど、作り手が全員乙女とは私、一度も言ってないんですが……」
乙女の手によるレースだと言ってしまったのは事実だけれど、全員乙女とは言ってない。というのは言い訳だろうか。
「あのライラ様のこと……本当によかったんですか?」
フィリーネが問うと、アーベルは肩をすくめた。