独占欲強めの王太子殿下に、手懐けられました わたし、偽花嫁だったはずですが!
パウルスが厨房から持ってきてくれたサンドイッチをつまみ、お茶にたっぷりミルクと砂糖を入れて飲むと気合が入ったような気がした。
「——行ってくるわ!」
宣言して、勢いよくフィリーネは立ち上がった。
別にアーベルの目につく位置に行く必要もない。大切なのは、これからの園遊会、それから一週間後の舞踏会で今の流行を確実に学ぶこと。そのため、集まっている令嬢達のドレスがよく見える場所につくつもりだ。
フィリーネが庭園に出たのは、集合時間の十五分前だった。もうほとんど全員揃っていたようで、かなり出遅れた感じだ。ちらりとヤグルマソウの間のあたりを見たら、きらりと双眼鏡のレンズが反射するのが見えた。
「もっと早く出てくるべきだったわ」
「どうにかして、アーベル様の目に留まりやすい位置に行かなくては」
どの令嬢かはわからないが、フィリーネ同様出遅れたらしい令嬢達がひそひそとささやきっていて、そんな焦りの声がフィリーネの耳に届く。集まった令嬢は五十……いや、もう少しいるだろうか。
「——行ってくるわ!」
宣言して、勢いよくフィリーネは立ち上がった。
別にアーベルの目につく位置に行く必要もない。大切なのは、これからの園遊会、それから一週間後の舞踏会で今の流行を確実に学ぶこと。そのため、集まっている令嬢達のドレスがよく見える場所につくつもりだ。
フィリーネが庭園に出たのは、集合時間の十五分前だった。もうほとんど全員揃っていたようで、かなり出遅れた感じだ。ちらりとヤグルマソウの間のあたりを見たら、きらりと双眼鏡のレンズが反射するのが見えた。
「もっと早く出てくるべきだったわ」
「どうにかして、アーベル様の目に留まりやすい位置に行かなくては」
どの令嬢かはわからないが、フィリーネ同様出遅れたらしい令嬢達がひそひそとささやきっていて、そんな焦りの声がフィリーネの耳に届く。集まった令嬢は五十……いや、もう少しいるだろうか。