独占欲強めの王太子殿下に、手懐けられました わたし、偽花嫁だったはずですが!
「あら、そうですか? でも、私がこの国に来た目的は、両親の名代を務めることだけではないんです。実はユリスタロ王国で作ったレースの販路を確保することも目的のひとつなんです。今回、多数の目の肥えた女性が集まると聞いたので」
それを聞いて、アーベルは表情を変えた。
「それで今回の話を受けたのか」
「ええ、まあ。今回頑張って花嫁選びに参加したとして……私がアーベル様の目にとまるってことはまずないでしょ? そこに労力を割くくらいなら、三乙女のレースを買ってくれる人を探した方が国のためには早いと思うんですよ」
興味深そうに、ますますアーベルは身を乗り出してきた。
「レースは、雪の……なんとかのレースだけなのか?」
「いえ、あとは森の乙女ドリーのレースと、虹の乙女イリスのレースもあります。だから、三乙女のレースなんです」
雪の乙女シエルのレースは、雪の結晶をモチーフとしているのに対し、森の乙女ドリーのレースは、植物をモチーフとしている。そして、虹の乙女イリスのレースは、空とそこにかかる虹がモチーフだ。太陽や雲も図案として織らなければいけないし、特殊な染め方をした糸を使うので三乙女のレースの中で一番作るのが難しいとされている。
それを聞いて、アーベルは表情を変えた。
「それで今回の話を受けたのか」
「ええ、まあ。今回頑張って花嫁選びに参加したとして……私がアーベル様の目にとまるってことはまずないでしょ? そこに労力を割くくらいなら、三乙女のレースを買ってくれる人を探した方が国のためには早いと思うんですよ」
興味深そうに、ますますアーベルは身を乗り出してきた。
「レースは、雪の……なんとかのレースだけなのか?」
「いえ、あとは森の乙女ドリーのレースと、虹の乙女イリスのレースもあります。だから、三乙女のレースなんです」
雪の乙女シエルのレースは、雪の結晶をモチーフとしているのに対し、森の乙女ドリーのレースは、植物をモチーフとしている。そして、虹の乙女イリスのレースは、空とそこにかかる虹がモチーフだ。太陽や雲も図案として織らなければいけないし、特殊な染め方をした糸を使うので三乙女のレースの中で一番作るのが難しいとされている。