"鬼"上司と仮想現実の恋
私がご機嫌で笑うと、

「ほら、瀬名、行くぞ。
悪い。
瀬名が限界だから、連れて帰る。」

とみんなに声を掛けて、私の腕を取って立たせた。

部長は私の鞄を持ち、駅前からタクシーに乗った。

ご機嫌な私は部長の肩に頭を預けて寝てしまった。



「瀬名、ほら、水。」

気づくと、私はまた自分の部屋のベッドにいた。

「んー、ムリ〜
ぶちょお、飲ませてください〜」

「ったく…」

部長から口移しで水が流れ込んでくる。

今日は、この間より意識がはっきりしている。

夢…じゃなかった…

2度目の水が流れ込んで来た所で、私は部長の腕にしがみついた。

ごくん…

水を飲み込むと、私は目を開く。
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