艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
今夜のこと?
と一瞬首を傾げて、すぐに思い出した。
……そうだ。今夜、どうなるんだった?
さっき囁かれたことを思い出して、顔が火照り始める。彼は目を細めて意地悪に笑い、言った。
「潔いね、藍さんは」
「打ち合わせですよね?」
「これ食べる?」
わざと話を逸らして、葛城さんがフォークでケーキをひとかけ掬う。カスタードババロアとフルーツの、カラフルで可愛いケーキだった。
それを、私の口元近くまで持ってくる。
意図はわかるが、それはちょっと、いちゃつきすぎで恥ずかしい。
躊躇ったが、葛城さんの後ろ、さっきの女性たちの目がちらちらとこちらを見ていることに気が付いた。