艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「見つけた」
女性の輪の中から真直ぐ抜け出してきた彼の手には、可愛いスイーツののったお皿がある。
「……何してるんですか」
「藍さんを捜してたら囲まれてしまっただけだよ」
わかっちゃいたけど、女性がほっとくわけない風貌だ。
なんとなく、むっとした。出来立てほやほやでまだ正式とは言えないかもしれないが、彼は私の婚約者だ。そんなへらへらしないで欲しい。
眉を顰めていると、彼が少し顔を寄せて小声で言った。
「逃げ出したかと思った」
「……逃げませんよ」
「そう? 今夜のことで怖気づいたのかと」