艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「あら、葛城さん」
祖母は出入り口の方を一度振り向いて、小さく、ゆったりと会釈をした。それから嬉しそうに頬を染め、花束をギャルソンから受け取っている。
「お祖母ちゃん知ってるの?」
「もちろんよ。こんなお祖母ちゃんになっても花束って嬉しいものねえ」
「良かった。さっきロビーで会って、少し話して……お祖母ちゃんの誕生日だって言ったから気を遣ってくれたみたい」
祖母の知り合いなら変な人ではないのだろう。
良かった、と内心安堵していたのだが、母親と兄が複雑な表情を見せていることに気が付く。
「葛城だって? あの葛城圭か」
とトゲのある声を出したのは、父だった。